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岡山大学 准教授 上森 武 様

広島大学工学研究科で弾塑性工学を専攻し、2001年に博士号を取得。広島大学から近畿大学准教授を経て、2014年より現職。素材、特に金属がもつ「弾・塑」の特性を研究し、社会生活に欠かせない製品の成型に反映させる研究を手がけている。

先生の研究について教えてください

金属材料を潰したり、延ばしたり、叩いたりして成型し、私たちの身の回りにある製品を作る際、望む形にするためには「弾・塑」という二つの特性を把握しておかなければなりません。例えばゼムクリップ。引っ張って指を離すと元へ戻ろうとするバネのような特性が「弾」で、まっすぐだった針金を曲げてクリップの形にし、力を除いてもこの形を保ち続ける特性が「塑」です。力が弱すぎても強すぎても思った形にならないわけで、金属ごとに異なる重さや柔らかさといった性質を測定してデータをとり、金属の変形について探求し、製品作りに生かすことが研究対象です。

私たちの暮らしと関わりが深いようですね。

そうですね。最近の消費者は「おしゃれかどうか」で商品を購入する傾向があり、その場合は「おしゃれな形」を重視する必要があります。メーカーからの依頼を受け、こうした購買意欲を刺激する形はどの材料で実現できるのか、費用や加工法も含めて現実的な提案をしながら共同開発することも多いです。金属でできた日用雑貨やビールの缶、自動車といった身近な製品はもちろん、あらゆる金属製品を形作る際に、弾塑性の研究は欠かせないのです。

弾塑性の研究にワークステーションをどのように活用していますか?

研究ではまず、金属を曲げたり引っ張ったりする実験を行い、ポイントとなるデータを抽出します。次に、データのもとで起こる金属の変形の理論を融合させてプログラムを作りコンピューターに準備させておき、その理論を使って、金属や物体がどのぐらいの力でどのように変化するかをコンピューター上で長時間再現し、計算していきます。この手法を有限要素法といい、製品を成型するのに最適な金属材料を決定することができるのです。コンピューターがなかった時代は、硬さを調整した粘土に実際に力を加えて変形、測定していたんですよ。長時間のシミュレーションやデータ採取、計算はコンピューターの本領発揮ですね。

アプライドのメンテナンス等はいかがでしょうか?

工学部というと、とっつきにくいと思われるかもしれませんが、工学部が一番大切にしなければならないのは「人」で、人が豊かで幸せになるように、物を作ることでサポートしているのです。機械も好きですが、人が好きでコミュニケーションを大切にしたいので、仕事上でも気軽に相談できる方とお付き合いしたいと思っています。担当営業の花田さんは、いつも笑顔でレスポンスも早く、相談も気軽に引き受けてくださいます。花田さんとはカタログを持って研究室を訪ねて来てくださったのがご縁です。研究室まで来てくださる方はあまりいないですよ。物体の変形を計算するのは長時間になるので、信頼度の高い会社を選びたいし、調子が悪い時にはすぐ来てもらいたい。その点もアプライドさんは安心ですね。

今後コンピューターをどのように活用していきたいですか?

製品の成型にどのような形状や材料が最適かを検討するには、コンピューターの力を借りる方がより効率的ですが、さらにコンピューターの機械学習などによって自動的に結論を導き出してもらうレベルまでになればいいなと思って取り組んでいます。金属加工の世界は、職人さんの経験と勘が重要なのですが、この少子化社会では師弟関係で技術を伝えることも難しく、力や体格が違えば完成度も違ってきます。つまり、従来のように経験や勘に頼り切っていては、立ち行かなくなると思うのです。そうした人間の微妙な力加減を再現するのは難しいのですが、職人さんの経験と技術を数値化して結論はコンピューターに導き出してもらい、誰が取り組んでも同じ製品ができあがる仕組みを作りたいです。そうやって「物体の変形」を活用すれば、世の中のさまざまな問題が解決するのではないでしょうか。

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