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九州大学  准教授 岡安 崇史 様

愛知県出身。九州大学大学院農学研究科博士後期課程修了、博士(農学)。力学材料の非弾性挙動予測モデルの開発や圃場機械、建設機械などによる土の締固め現象の数値解析をはじめ、最近では、情報通信技術(ICT)を利用した圃場環境の計測、植物の生育特性の可視化、我が国農業の持続的発展につながるスマート農業に関する研究を行っています。現在、農水省をはじめ各省庁の受託研究や企業などとの共同研究を複数実施しています。

先生の研究テーマについて教えてください。

専門は農業機械学と農業情報学で、現在はスマート農業を中心に研究を行なっています。スマート農業とは、農業技術とロボット技術や情報通信技術(ICT)などを活用して農作業を省力化かつ精密化し、品質の高い農産物を生産するための新たな農業のこと。
スマート農業を取り入れることで、⼈⼿不⾜の解消や農作業の負担の軽減につながるだけでなく、熟練農家の技術を若手の農家に教えたり、農作物の生育や病害を正確に予測することができるようになるとわたしたちは考えています。
農林水産業の現場では、機械化が難しく今もなお手作業に頼らざるを得ない様々な作業やカラダに負担のかかるキツイ作業がまだまだ多くあります。また、日本は南北に伸びた地形をしているので、気候や土壌など地域特性のある農業技術もあり、そのことも視野に入れなければなりません。
何十年、何百年後も安心・安全でおいしい農産物を未来に生きる人たちが手に入れることができるように、その仕組みづくりのお手伝いをしています。

具体的に、どんなことをしているのですか?

まず、栽培管理を適切に行なうために情報収集の一環としてデータを取っています。光の量が少ないと、植物の光合成能植物は、環境条件によって大きく左右されるといえます。

わたしたちがいつでも購入できるおいしいお米や野菜、くだものをつくっているのは、実は農家さんではなく植物自身。農家の人たちは、光や水の量、気温、湿度などを調整している管理者に当たるんです。生産者が植物である以上、植物のすべての要求に応えることはプロの農家さんでも難しいことなんです。会社でも職場環境を整えてあげることで社員は気持ちよく仕事ができ、その結果、成績などが伸びたりしますが、植物も同じ。畑や田んぼのコンディションや植物の状態など環境を整えてあげることで品質や収穫量を改善することができます。

データ収集に当たってコンピュータが必要になるのですが、昔に比べてコンピュータの料金が随分リーズナブルになりました。この研究のために私の研究室ではアプライドの商品を導入しています。

アプライドの商品を導入したきっかけを教えてください。

以前は他社のコンピュータを使っていたのですが、電話で注文してもイメージしていた通りのスペックが入っておらず、またその会社の所在地が遠方だったため意思疎通が難しかったんです。アプライドに依頼をし始めたのは2年ぐらい前で、顔を見て直接希望を伝えることができるし、スペックもいくつかリストアップし提案してくれるので、自分で選ぶことができてとても助かっています。担当である永渕さんが研究室に定期的に顔を見せに来てくれる心遣いもいいですよね。

九州大学伊都キャンパスは全国でも珍しく、キャンパス内に巨大な農地や園芸施設群が併設されています。私の利用している園芸施設も内には、気温や湿度、二酸化炭素濃度や光の量などを計測・コントロールする装置や試作ロボットを設置。環境情報をグラフや画像などでわかりやすく表示できるようにしています。また複数のカメラを使って生育画像を撮影し、葉の数や色、大きさ、向きなどを画像処理で抽出していくんです。この画像処理・解析用のコンピュータもアプライドのものを使っているんですよ!

農産物を購入するわたしたち消費者が心に留めておきたいことってありますか?

農家さんが生計を立てていくために、消費者は適正な価格で購入することが必要です。そのためには、野菜をつくるために農家さんがどれだけ労力をかけているか、そのこだわりを消費者に伝えることが大切ですし、消費者も食べた感想や調理方法などを農家さんに直接伝えることができれば新たなコミュニティが生まれ持続的な関係を築くことができます。農家さんによってはSNS等で情報発信している人もいますが、それは一部の人だけ。農産物の情報を直接消費者に伝える仕組みについても考えていきたいと思っています。
IoTを取り入れることで、農業は変わります。そのためには、農作業情報の自動計測技術や映像技術による植物・農産物評価技術、ドローンを活用した栽培管理技術、園芸施設内の環境コントロール技術などの構築や、収集したデータの利活用を担うスマート農業の人材育成も不可欠です。生産量と品質が安定すると、国内だけでなく輸出向け農産物の生産にもつながっていくと考えています。

スマート農業が日本の未来を支える、そんな時代になればいいなと思っています。

 

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