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福岡女子大学 国際文理学部 環境科学科 庄山 茂子先生

Fukuoka Women’s University

色彩と人の心を研究することで
より豊かな生活環境の実現を模索

Shoyama shigeko

庄山 茂子 先生

福岡女子大学国際文理学部環境科学科教授。都市計画や企業の商品開発はもとより、生活におけるあらゆる分野で、色彩によって安心・安全・快適で豊かな生活環境を実現するための研究を進めている。

衣食住から都市空間まで幅広いフィールドが研究の対象。
身の周りに存在する色彩が生活に及ぼす影響に着目した研究が目指すものは――。

私たちの身の周りのものには色があり、それぞれの配色には制作者の意図が込められている。人の心にも作用する色彩は、単にデザイン的な理由だけでなく、暮らしやすさにも大きく影響するという。デザインについて学び、人々を取り巻く生活環境をより豊かにするための研究を行なう庄山茂子先生の環境デザイン学研究室を訪れた。

―庄山先生の研究内容について教えてください。

デザインによって、安心・安全・快適で豊かな生活を実現することが私の研究テーマです。私たちの身の周りの生活環境は、あらゆる色彩であふれています。色彩は視覚を通して得られる情報であると同時に、人の心に情感を与え、生活をより豊かにしてくれます。
 環境デザイン学研究室が研究対象としているのは、衣生活・食生活・住空間・都市空間まで生活のすべてに関わる幅広いフィールド。人間に最も身近な環境である被服と色彩に関する研究のほか、景観色彩調査やまちなみ修景計画に関する研究などを行なっています。

―これまで行なってきた研究を教えてください。

 代表的なものは、医療用ユニフォームについての研究です。従来の白衣は「信頼感」や「責任感」という印象を与える一方で、白衣を見ると患者さんが緊張して血圧が上がってしまう「白衣高血圧症」が問題と指摘されるようになりました。そんな患者さんの緊張を和らげるために、色やデザインの違いによる印象の変化を調査し、「親しみやすさ」や「癒やし」の印象を与えられる色柄の医療用ユニフォームを企業と連携して開発しました。

―ほかにはどのような研究を行なっていますか?

 病院食を配膳する際の食器を載せるトレイの色による患者さんの食欲を調査し、料理がおいしそうに見えて食欲をそそる色についての研究です。トレイの色によって、おいしさの印象に違いがみられたことから、現在残食率を分析しています。
 そのほか、テレビの料理番組で使用するテロップの色やフォントによる料理への印象や、保育所施設の外観調査で子供の成長に与える影響と周囲の景観との調和についても研究しました。
 また、年齢や性別を問わず、すべての人々に分かりやすい配色を提示するなど、ユニバーサルデザインの視点に立ったデザインも私の研究テーマです。コンピューターディスプレイやタブレット端末画面の色彩情報が、生理・心理反応やユーザビリティへ及ぼす影響についても研究しています。

―研究室の特徴や魅力を教えてください。

 社会におけるさまざまな課題に対して、学生たち自身に気付かせるように指導しています。それぞれの研究テーマを題材に、研究室全員で行うディスカッションは欠かせません。他者からの意見で新たに気付くことも多いので、グループワークの時間を大切にしています。
 研究室には一定の照明条件で色の見え方を研究できる照明設備を備えています。

―研究を通じて伝えたいことは何ですか?

 デザインに関する知識や技術はもちろんですが、社会に対する洞察力や未来を切り拓く構想力、創造力、感性を身に付けてほしいです。相手の立場(ユーザーの視点)で考えることで課題に気が付き、問題の本質を見つけたら課題を解決するためのアイデアや方法を実践します。そして、その結果を評価して検証していくこれらの過程は、デザイン制作だけでなく、あらゆる問題解決の場面で役立てられると考えています。

―高校生に向けてメッセージをお願いします。

 多様な経験を積むことで、あらゆる課題への解決方法やアイデアが浮かんでくるものです。そのためには得意なことも、苦手なこともチャレンジしてみてください。
 社会の形成と歴史の進行に対して、たとえどんなに些細なことであっても貢献していくことが大切です。将来的に地球環境を守りつつ、次代に向けた社会の発展を追究しようとする皆さんと一緒に研究していきたいと思っています。

卒論テーマの研究をブラッシュアップする指導も手厚いです

国際文理学部 環境科学科
環境デザイン学研究室
4期生
高田 麻衣 さん

社会人になっても応用できる力が身に付きました

国際文理学部 環境科学科
環境デザイン学研究室
4期生
後田 くれあ さん

Q 研究室を選んだ理由は?
A 色彩やデザインに対して、強い関心があったからです。目に映る身の周りすべてを環境として捉えるので、幅広いフィールドの中から卒論の研究テーマを選択しやすいと思いました。
Q 卒論では何について研究をしましたか?
A 高視認性安全服についてです。作業現場や作業機械を扱う環境と同系色の高視認性安全服が多いので、作業現場での事故を減らすために、視認性が高まる色彩の組み合わせを研究しました。
Q 卒論では何について研究をしましたか?
A 食品パッケージの色彩とフォントについてです。カップラーメンやレトルトカレーなどのパッケージは、どのような色彩やフォントでデザインしたものがおいしそうに見えるか研究しました。
Q 研究室の魅力は?
A ファッションやグルメなど、どんな分野も色彩は密接な関係にあります。自分の興味があることについて、深く研究できるのが魅力です。人に伝える技術など、研究テーマ以外のことも学べました。

研究室の先輩たちの主な進路先

福岡県庁、大川市役所、パナソニックリビング(株)、(株)アサツー ディ・ケイ、安心計画(株)、(株)クレスコ、(株)大塚商会、MSD製薬、JA福岡信連、(株)フランソア、ヤマエ久野(株)、(株)山口油屋福太郎

福岡女子大学 国際文理学部 環境科学科 環境デザイン学研究室

福岡市東区香住ヶ丘1-1-1
http://www.fwu.ac.jp/

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