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久留米大学経済学部経済学科 大矢野 栄次先生

Kurume University

経済史から読み解く理論経済学!論理的に考える経済学とは

Ohyano Eiji

大矢野 栄次 先生

久留米大学経済学部経済学科教授。
ケインズ経済学と現代マクロ経済学の問題点について、経済史と経済理論史との関係から研究を進めている。

大矢野先生の研究室を紹介

人々の生活、地域の歴史を学び、論理的に日常生活の状況について考える大矢野先生。
40年以上研究を続ける理論経済史とは何か?経済学にはどんな魅力があるのか?について話を伺いました。

―大矢野先生の研究内容について教えてください。

私の専門は理論経済学です。
経済生活を考えるのは経済政策で、経済はどうやって動いているのかを考えるのが経済理論です。
理論をあまり必要としない大学がありますが、理論を使って「こういった政策を行っています」というところまで説明しないと学生は興味を持たないと考えています。
そのため、私の授業では、経済政策と経済理論を合わせて「経済学」であると教えています。

理論経済学と経済理論史を研究するようになったのは、久留米大学の前に12年間佐賀大学に勤めたのがきっかけです。
そこで佐賀の町おこし村おこしの研究をしました。
佐賀の49市町村へ実際に行って、「この町はどういう祭りがあるのか」、「どういうお寺があるのか」を調べました。
そのため、佐賀県の農業関係や土木関係も一緒に調べました。
たとえば、佐賀県の「お祭り」というと「ふりゅう」がありますよね?
福岡県では「風流」と言いますが、その「ふりゅう」「風流」というお祭りとはなにか?というのを調べると、実は「倭寇」のお祭りということが分かります。すると、佐賀と倭寇がつながってくるんですよ。
そういうのを調べていくと面白いじゃないですか。
そういう分野は「経済史」と言うのですが、経済の歴史を調べていくともっと経済学が楽しくなります。
そこで、理論だけではなく、経済の歴史を取り入れていきました。
経済の歴史を調べていくと、世間が当たり前だと思っていたことを理論的に証明できます。

例えば、加賀百万石の前田利家が佐賀の北方出身であるとか。
伊万里には、「大庄屋前田家」という大きな庄屋の前田家があるんですよ。
ここが、加賀百万石前田の本家になります。
これがすべて経済史です。伊万里の人も知らないし、北方の人も知りません。
こういった学問的には正しいけれど「あまり波風立てたくない」といった人たちは黙っている、というものが歴史ではいくらでも発見されます。
経済学を使って、世間の人々が「どうしてだろう?」と思っていることを理路整然と進めるのが私の研究です。

―研究室について教えてください

うちのゼミは15人いて、社会人スキルを磨くために物流を経験させています。
久留米大学には「久留米大学酒」というものがあります。
これは、酒屋の社長さんに来てもらって、「なぜ学生は日本酒を飲まないか」という授業をして頂きました。
そうすると学生は「酒臭いから嫌」と。
実際に社長さんと学生を議論させると、「香り豊かで、酒臭くないやつなら飲んであげる」ということで、「それなら作ってやろう」となって作られたのが「旭」というお酒です。
それでも「薄くて軽い割安そうな酒は飲みたくない」という意見から、少し薄めのお酒を作ってみたものが「御井」です。
それを今、久留米大学酒として売っています。
物を売るというのは、美味しいからというのもありますけど、自分とそのモノはどういう縁があるか説明できたら買っていただけるわけですよ。
自分で作ったものだから売れるじゃないですか。
そういう経験を社長さんや政治家などを授業に呼んで体験させています。

他には、授業で久留米大学について調べることをやっています。
例えば、久留米大学はブリヂストンが創設者だとか。
「久留米って説明したら案外面白い」と感じると自分の大学に誇りを持つようになります。
就職についても自分の大学に愛着を持っている人の方がプラスポイントです。
学生に自信を持たせることが大学にとっても一番大切なことだと考えています。

―研究を通じて学生に教えたいことは?

「習ったことを信じるな!」
学問というのは日々進歩しています。
そのため、今日習ったことは明日になれば間違っているわけです。
先生は今のところそれが正しいと思っていることを教えているので、小学校、中学校、高校と今まで習っていた事が全て正しいとは限りません。
「学生には受験が終わったのだから白紙状態で勉強しなさい」と伝えています。
そして、知らなかったら調べてから質問して、議論をしましょう。
お互い議論をし合うことで進歩して勉強になります。
世の中に正解なんかないので、これ正しいですか?間違っていますか?ではなく、それって本当ですか?というところまで考えないと大学を出る価値はありません。

高卒と大卒の違いは、「自分で解決しようとするかしないか」です。
今の時代、情報に強い人がチャンスをもらえます。
大学を卒業するなら自分で調べる能力を身に着けてほしいですね。

―久留米大学の魅力は?

「勉強したいです」と言ったら積極的に協力をしてくれる大学です。
研究分野に縛りがなく自由に幅広く研究をさせてくれる環境が魅力です。
学生では、「伸びしろ」がある子が多い。
「勉強が面白くなればする」「面白くなければやらない」といった勉強をしたことの少ない学生が多いので、やればできる子がたくさんいます。

―高校生へ伝えたいことは?

運動してしっかり体力をつけること。
例えば、私は海外研修でバンコクやクチンに行きますが、帰りは夜中の1時2時に出発して、朝8時福岡空港着とかでも朝9時から授業をします。
「ちょっと海外行っていたので休みます」は通用しないと考えています。
学校に来ないと勉強は始まりませんよね。
だから高校生の間はしっかり体力をつけておいてください。

あとは、勉強をするときは鉛筆で書くことを勧めています。
ボールペンでは力を入れずに書けるので覚えられません。鉛筆では力を入れないと書けませんよね?力を入れると覚えられるのです。
勉強は「手がすること」であって、目や頭でしているわけではありません。
鉛筆で書けば頭に入るので、ボールペンとでは覚える量が全然違います。
若い時はできるだけ鉛筆を使用して、基礎勉強を行ってください。

研究室の先輩たちの主な進路先

JR九州、東京の中小企業、物流関係、BtoBの会社、商社

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