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勉強だけでは得られない学びのある場所

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勉強だけでは得られない学びのある場所

COVID-19(新型コロナウイルス:以下コロナ)の世界的パンデミックにより、世の中のあらゆる動きがストップすることを余儀なくされ、受験生のみなさんは先行きのわからない事態に日々悩まされながらも、受験勉強に励んでいることと思われます。 都道府県によって感染者状況も違えばその対応も様々で、三密に注意しながら徐々に授業を再開しているところもあれば、まだまだオンライン(リモート)授業を行っているところ、分散登校を行っている学校もあるのが実情です。 第二波への懸念もありますが、学習環境もこれまでとは違ったものになり、意欲的に取り組めなかったり、集中力を欠いたりしてしまう学生さんは少なくないのではないでしょうか。

読書会、哲学カフェとは?

そうした中、オンラインでの「読書会」や「哲学カフェ」といった個人が主催しているイベントが小さな盛り上がりを見せています。 これまでにも、そうしたイベントはリアルで行われていましたが、今回のコロナ騒動により、リアルでの開催が困難となったためオンラインでの開催が促進され、都道府県外にある遠方のイベントに自宅からでも参加できるようになりました。
高校生のみなさんには馴染みがないかもしれませんが、それぞれのイベントを簡単に説明すると、「読書会」は、一般的に参加者各自が読んだお気に入りの本を持ち寄って8~12名くらいで紹介し合う形式のもので、「哲学カフェ」は、主催者(ファシリテーター)が設けたある「テーマ」について2時間程度話し合う形式のイベントになります。

色んな大人たちと話せる貴重な場所

大学生のインカレサークル(注:インカレサークルとは、他大学のサークルの学生が集まって交流するサークル)が主催している哲学カフェというのもあり、先輩である大学生と話せる貴重な機会にもなります。 普段高校生が話せる大人というのは両親や祖父母、親戚、学校や塾の先生、友達の親など、限られた人たちしかいません。しかし、こんな機会だからこそ、自分の知らない世界に足を踏み入れてみる経験をしておくのもいいかもしれません。
本来であれば、そうした大人たちが集まる場所に高校生が赴くのは危険が伴います。そうした理由から親御さんも、最初に話を聞いただけではあまり賛意は示してくれないかもしれません。 しかし、読書会や哲学カフェといったコミュニティは少し特殊な集まりといえます。というのも、会の基本方針として、営業目的や宗教などの勧誘を目的とした参加は原則禁止されており、そういう危ない大人たちが参加できないような仕組み作りを徹底しているからです。 また、会によっては名前(ハンドルネーム)だけでの匿名性を重視した参加形式のものもあったりするので、個人情報が気になる人も気軽に参加することができます。

これからの時代に求められる能力

つまり、これらのコミュニティは「出会い」や「ビジネス」といったことを目的とした集まりではなく、自分の考えを述べ、相手の話に耳を傾け、学びを得たり問いを深めたりする行動そのものに主眼が置かれています。 それは同時に、今後の社会に求められている、正解のない問いに対していかに対応していくか、といった能力を養う場所にもなり得ます。 コロナの影響で、オンラインでの開催が増えたことで、参加への安全性が増し、高校生はとくに参加しやすい環境になったといえます。一度でもいいので、まずは勇気を出して話を聞くだけの参加をしてみてはどうでしょうか? 思わぬ形で勉強の合間の息抜きにもなり、モチベーションの維持に効果が表れるかもしれません。
詳細は「読書会へ行こう!」という下記に紹介しているサイトや、ブラウザで「読書会 地名」または「哲学カフェ 地名」などで検索してみてください。 また、上記のサイトには載っていない会もたくさんありますので、Twitterやホームページなどをチェックしてみてください。

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