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福岡大学工学部機械工学科 流体工学研究室 安東 洋一先生

Fukuoka University

未知なる可能性を秘めた流体を用い暮らしに役立つ工業技術を研究

Andou Youichi

安東 洋一 先生

福岡大学工学部 機械工学科准教授。1994年九州大学大学院工学研究科動力機械工 博士(工学)。LDVによる斜流ファンの内部流動の解析、画像解析による狭窄管非定常流れ、マイクロ風車(ツイン・クロスフロー風車)を研究。

実験と解析を繰り返しながら、「流体」を活用した工業技術の向上を目指す福岡大学流体工学研究室。
その魅力について詳しく知ろう!

パソコンや自動車、医療機器など、私たちの身の回りに当たり前に存在する機械。どんどん高度化・多様化し、現代の便利で快適な生活に欠かせない存在になっている。そのような機械の基礎を学ぶ学問が機械工学だ。
その中でも、さまざまな機械の原動力となる「流体」について研究をする、安東先生率いる流体工学研究室を訪ねた。

―福岡大学工学部機械工学科の特徴を教えてください。

福岡大学の機械工学科は、材料力学、機械工作・設計、流体工学、熱工学、機械力学・制御という5つのグループに分かれて”モノづくり“に関わる研究を幅広く行っています。その中で私が携わっているのが流体工学の分野です。これは名前の通り流体に関する学問のこと。流体とは、気体や液体のことを言います。風車は翼(よく)に風を受けて回ることでエネルギーを取り出し、扇風機は翼を回すことで風を作り出しますよね。そのように気体や液体の「流れ」に伴って起こる現象を工学的に利用する研究を行なっています。

―流体工学研究室では、どんな研究をしているのですか?

一つ目は、街中で活用できる風車に関する研究です。自然エネルギーが着目されている現在、風車による風力発電を目にすることが多くなりました。私たちの研究室では山や海岸で見かける巨大な風車ではなく、市街地のビルなど構造物の隙間に設置できるような小型の垂直型風車(クロスフロー風車)について、その形状や設置方法についての研究を進めています。
 二つ目は「渦」を有効利用するための手法を開発する研究です。タバコの煙がドーナツ状の輪になって飛んでいく光景を目にしたことがあるかと思いますが、あのドーナツ状の煙のことを流体工学では「渦輪」と言います。渦輪は流体を瞬間的に噴出させることにより生成されます。ドーナツ状になったタバコの煙は、その形のまま離れた場所までふわふわと飛んでいきますよね。つまり、エネルギーや物質を遠くまで運ぶことができるということ。この特性を活かし、例えば狙った場所だけをピンポイントで冷却するエアコンの開発が進められているように、近年では物質やエネルギーを輸送する手段として工学的に利用する研究が進められています。当研究室では、コンピューターによる数値シミュレーションや実験画像の解析などの手法を用いた渦輪の研究を進めています。渦に関してはその他、拡散を抑えて真っすぐに噴流を出すための研究や、渦によって起こる空力騒音の低減化技術の開発なども行なっています。

―研究室の特徴や魅力を教えてください。

力を入れていることは、自分の考えをきちんと伝えること。技術力だけでなくコミュニケーション能力を身につけてもらうことを目的に、数週間に1回のペースで報告会を行い、学生たちに研究発表の機会を設けています。
 大学の研究とは、私たち教員が「こうしなさい」と押し付けるのではなく、学生たちが自分で考えて行うものだと思っています。そこで当研究室では、実験する装置を学生たちに手作りしてもらっています。「こういう実験をしたいのであれば、何が必要か」ということを自ら考えて実際に作ることは、個々の成長に繋がっているはずです。

―高校生へのメッセージをお願いします。

工学部への進学を希望するみなさんには、数学、物理、化学の教科を基礎からしっかり学んでほしいと思います。特に数学は、さまざまな現象を理論的に表現する基礎となる大切な教科です。「連立方程式なんて、将来何の役に立つの?」と疑問に感じながら受験のためだけに勉強している方もいるかもしれませんが、実は答えではなく方式を導く課程が将来大学の勉強や研究を進める上で大切になります。そこで、高校生のうちに「なぜこうなるのか」という基礎の部分をしっかり理解してもらいたいと思っています。
 あとは、いろんなことに興味と疑問を持つこと。例えば風が吹くと電線からビューッと音が発生しますが、それはなぜなのか。音源に近づくときと遠ざかるときとで音の聞こえ方がなぜ異なるのか。そういった何気ないことを疑問に感じ、興味を持って調べてもらえたらいいですね。

『ここでの経験を生かし、憧れのF1に関わる仕事に就きたいです!』

工学部機械工学科
4年生
衛藤 卓巳 さん

『何度も実験を繰り返してチャレンジする日々を楽しく感じています!』

工学部機械工学科
4年生
本田 賢志 さん

Q 研究室を選んだ理由は?
A 姉が工学部で流体を専門に勉強していたので、その影響を受けて同じ道に進みました。他に、幼い頃からF1が好きだったことも理由の一つ。F1マシンに流体の技術が活用されていることを知って、ますます流体に興味を抱きました。
Q 研究室の魅力は?
A 流体はまだまだ未知の現象が多い分野で、新しい発見が多いことが魅力です。研究室の雰囲気も良いことも魅力だと思います。教員と学生との間に壁がなく、全員で一丸となって実験や研究に取り組んでいます。
Q 現在、何の研究をしていますか?
A 空気砲で知られている渦輪を空調の送風方法として利用する研究をしています。実験室内に真夏の気候を擬似的に再現し、渦輪に冷気を入れて冷却対象に飛ばした場合の冷却効果を検証する実験に取り組んでいます。
Q 将来の希望は?
A この春卒業して建設設備の会社に就職することが決まりました。将来的に会社の研究部に配属されて、この研究室で学んだ渦輪の研究について生かしたいなと思っています。

研究室の先輩たちの主な進路先

DNP西日本(株)、JR西日本(株)、JR九州(株)、(株)ゼンリン、日本国土開発(株)、第一精工(株)、ダイキン工業(株)、ダイハツ工業(株)、(株)日立システムズ、(株)富士通ゼネラル、大分キャノン(株)、マツダ(株)、(株)九電工、トヨタ車体 研究所(株)、京セラ(株)、三菱電機エンジニアリング(株)、西日本プラント工業(株)、日産自動車(株)、ヤンマー農機九州(株)、スズキ(株)

福岡大学
工学部 機械工学科 流体工学研究室

福岡市城南区七隈8-19-1
http://www.tec.fukuoka-u.ac.jp/

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