− 特集 −
AI(人工知能)がもたらす未来

近年、耳にすることが多い「AI(人工知能)」。これまで難しいとされていた、人間が考え判断する高度な行動の一部を、データベースを用いて人工的に再現する。また、新しい経験から柔軟に学び順応することで、人間のようにより精度の高い答えを導きだします。
ここまでは周知の情報ですが、実際AI(人工知能)が私たちにもたらすことと言えば、ディープラーニングを用いた自然言語処理や自動運転技術くらいしか思いつかなかったりするものです。

AI(人工知能)を応用すると私たちの生活やビジネスにどのようなメリットがあるのか?
改めてAI(人工知能)について深掘りするとともに、これらのテクノロジーを研究する最先端の研究室について、ご紹介いたします。

1.AI(人工知能)とは?

なんとなく聞いたことあるけど、そもそもAI(人工知能)とは?

人工知能とは、人間にしかできなかったような高度に知的な作業や判断をコンピュータを中心とする人工的なシステムにより行えるようにしたもの。 出典 人工知能【AI】Artificial Intelligence - e-Words http://e-words.jp/w/人工知能.html
人工知能(じんこうちのう、(英: artificial intelligence、AI)とは、「『計算(computation)』という概念と『コンピュータ(computer)』という道具を用いて『知能』を研究する計算機科学(computer science)の一分野」を指す語。「言語の理解や推論、問題解決などの知的行動を人間に代わってコンピューターに行わせる技術」、または、「計算機(コンピュータ)による知的な情報処理システムの設計や実現に関する研究分野」ともされる。 出典 人工知能 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/人工知能
人工知能の定義は研究者の間でばらつきがある。松尾氏は「人工的につくられた人間のような知能。ないしはそれをつくる技術」と考えている。 出典 人工知能テクノロジーの現状と可能性 - WORKSIGHT https://www.worksight.jp/issues/607.html

2.AI(人工知能)の歴史

では、AI(人工知能)は一体いつから誰がどのように呼び始めたのでしょうか?
また現代までどのように進化してきたのでしょうか?

1956年にダートマス会議でジョン・マッカーシーにより命名された。現在では、記号処理を用いた知能の記述を主体とする情報処理や研究でのアプローチという意味あいでも使われている。 出典 人工知能 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/人工知能
人工知能(artificial intelligence: AI)という用語が造られたのは1956年のことですが、データ量の増大、アルゴリズムの高度化、コンピューティング性能やストレージ技術の発展といった近年の動向により、近年AIという略語はいっそう広く知られるようになっています。 1950年代の初期のAI研究では、問題解決や記号処理といったトピックが探究されました。1960年代になると、米国の国防総省がこの領域に関心を示し、人間の基本的な論理的思考(推論)を模倣できるようにコンピューターをトレーニングする研究を開始しました。例えば、国防高等研究計画局(DARPA)は1970年代にコロラド州アスペンのストリート・マッピング・プロジェクトを完遂しています。また、DARPAは2003年にインテリジェントなパーソナル・アシスタントを開発しましたが、これはSiri、Alexa、Cortanaが家庭に浸透するよりも遥かに前のことです。 出典 人工知能(AI)とは - SAS https://www.sas.com/ja_jp/insights/analytics/what-is-artificial-intelligence.html
現在は第3次のAIブームにあります。背景にあるのは、インターネットの普及とともに大量のデータを活用した機械学習の広がりです。加えて、2012年ごろからディープラーニングという新しい技術が登場して人工知能の性能が格段に高まったこと、ワトソンや将棋のプロジェクトのような印象的なプロジェクトが注目を集めるようになったこと、スティーブン・ホーキング博士や実業家のイーロン・マスク氏ら著名人が「人工知能は人類を滅ぼすのではないか」と懸念を表明したことで、かえって人工知能のすごさを世間に知らしめたことなど、いくつかの要因が重なって今の第3次ブームがあると思います。 出典 人工知能テクノロジーの現状と可能性 - WORKSIGHT https://www.worksight.jp/issues/607.html

3.AI(人工知能)がもたらす市場規模

「AI(人工知能)に職を奪われる」とも耳にしますが、ビジネスにおけるAI(人工知能)の市場規模とは?どのような分野で普及していくのでしょうか?

AI導入目的も、コスト削減だけでなく、今後は生産性向上、製品/サービス品質向上といった「攻め」の技術活用となっていくとみられ、グローバル競争が激化する経済環境下で成長を継続させるためには、コスト削減を行いつつ、進化するAI技術を活用して製品・サービスを強化する、AI活用で付加価値を高めながら新しいビジネスモデルを構築するといった、ビジネスモデルの転換が加速していくとみられる。 出典 2019 人工知能ビジネス総調査(市場調査レポート) - 富士キメラ総研 https://www.fcr.co.jp/report/183q07.htm
EY総合研究所はAI関連産業の市場規模(AIを活用した機器、システム等の国内さまざまな産業分野での市場規模)について、2015年の3.7兆円から2030年に約87兆円に成長すると予想。中でもオンデマンド・モビリティや自動運転トラック輸送など運輸業関連市場が急速に立ち上がり、30兆円超になる予想する。 出典 AI関連産業は2030年に86兆円に 数字で見るAI市場 - 月刊「事業構想」 https://www.projectdesign.jp/201704/ai-business-model/003521.php
アメリカの調査会社であるトラクティカ社(Tractica)のレポートによると、全世界のAI市場は2030年に3671億ドルまで拡大すると試算されています。2017年時点の市場規模が約100億ドルですから、たった8年で36倍以上になると見込まれているのです。 出典 人工知能の市場規模は圧倒的速度で拡大する!米国株のAI銘柄40選 - 複利のチカラで億り人 https://hiromethod.com/artificial-intelligence-stock-of-new-york-market

4.AI(人工知能)で何ができるのか?

ここでは注目度が増している『AI自動翻訳』をテーマにして掘り下げてみます。グローバル化する現代においてAI自動翻訳がもたらす恩恵は広く普及する可能性があるテクノロジーです。

AI(人工知能)で何ができるのか?
T-400は、2,000の分野からなる専門分野データベースと、ユーザーごとの御社専用データベースを兼ね備えた、最新のAI自動翻訳です。専門分野データベースは、医薬・化学・機械・IT・法務・金融など2,000分野の専門用語を膨大に蓄積しており、分野に合わせた適訳を自動翻訳に反映します。御社専用データベースは、翻訳結果をデータベースに蓄積することでAIが学習、使えば使うほどよりユーザーに合った自動翻訳にカスタマイズされます。
医薬、産業機械、半導体、電気機器、造船、鉄鋼、建設、IT、大学病院、国立研究所、大学研究室、各種病院・クリニック、外資系ライフサイエンス、食品、飲料、バイオベンチャー、医療機器、検査機器商社、化学、石油、ITコンサル、国際特許事務所、弁護士事務所、金融など、様々な分野でご活用いただき、ユーザーの皆様からのフィードバックを糧に日々開発・進化を続けています。 出典 AIによる超高精度の翻訳 - 自動翻訳 T-400 https://www.jukkou.com/
データベース

AIによる超高精度の翻訳「自動翻訳 T-400」

AIによる超高精度の翻訳「自動翻訳 T-400」

医薬・化学・機械・IT・法務・金融などの専門分野を「最大95%」プロ翻訳者に匹敵する正確さで翻訳するAI自動翻訳です。APIでの連携可能、御社サービスやプロダクトに組み込むことで、御社サービスに新たな価値を提供します。

5.AI(人工知能)を研究する日本の大学研究室

現在、日本ではAI(人工知能)を研究に用いる大学研究室が着々と増えつつあります。大学研究室ではどのような研究にAI(人工知能)というテクノロジーを応用しているのか?ここでは5つの研究室をご紹介します。

大阪大学高等共創研究院 栁澤研究室

我々は脳波や脳磁図などの脳信号に人工知能の技術を適用することで新しい診断・治療法を開発しています。これまでに、脳波・脳磁図を用いたBrain-Machine Interface (BMI)を研究し、念じるだけで動くロボットを開発しました。さらに、開発したBMIを、筋萎縮性側索硬化症などの神経難病により重度の麻痺がある患者さんに適用し、意思伝達補助や運動機能再建を行うことを目指しています。さらに、このロボットを使うことで、人の脳に可塑的な変化を誘導し、幻肢痛と呼ばれる難治性の痛みをコントロールすることにも成功しました。また、脳信号を人工知能で読み解く技術を使うことで、様々な精神神経疾患の診断方法を開発しています。我々は、情報や工学、神経科学など様々な分野の研究者と共同で新しい技術を開発し、これを臨床応用することで、新しい医療を作ることを目指しています。

明治大学 総合数理学部・先端数理科学研究科 吉田研究室

スマートフォンからサーバー、スーパーコンピュータに至るまで、プロセッサの実行速度は著しく向上しています。これらの高速化は、マルチコア、メニーコア、GPUを用いた並列処理技術によって支えられており、高性能な並列ソフトウェアの開発が求められています。総合数理学部ネットワークデザイン学科吉田研究室では、並列分散コンピューティング分野、特に、並列ソフトウェア(最適化、コンパイラ)、Androidスマートフォンのアプリ高速化、並列アプリケーション(3DCG、VR可視化、機械学習)、グリーンコンピューティングを中心に研究しています。 AIの中でもゲームやロボット制御に応用できる強化学習に着目し、マルチコアプロセッサを用いた並列処理により高速化を目指します。本研究ではエピソードレベルの並列性を用いた並列処理により状態行動価値を計算し、機械学習の高速化を実現します。

明治大学 理工学部情報科学科人工知能研究室

1994年に人工知能研究室が誕生しました。ディープラーニングの原型であるニューラルネット学習のブラックボックスの謎を解く方法を世界で初めて提案し、京都賞を選定する稲盛財団から研究助成。研究成果は最難関の国際会議でも脚光を浴びました。1993年にビッグデータ解析の理論的基盤となる論文を英文ジャーナルに発表。以降、人工知能の要素技術であるニューラルネット、機械学習、ビッグデータ解析、人工知能の研究に従事してきました。『ビッグデータ』という言葉が語られ始めた2012年から高精度ビッグデータ解析の世界のトップ研究集団入り、2015年からビッグデータ解析の中枢部であるルール抽出技術の研究成果が世界第1位を独走し現在、革新的な人工知能技術を駆使するディープラーニング(深層学習)の透明化技術(ブラックボックス性の解消技術)を提案して、完全自動化運転実現、医学画像デジタル・パソロジー(病理学)による乳がん病理画像診断、マンモグラフィー放射線画像診断、網膜画像診断、新世代創薬・バイオテクノロジー、プレシジョン医学等で独創的な研究をしています。また、人工知能を用いた糖尿病、肝臓病の早期発見、クレジットスコアリング等の金融工学に注力しています。

徳島大学 理工学部 任研究室

機械翻訳および音声認識をコア技術に、多機能・多言語・多メディア知的システム(MMM)に関する研究を行っています。自然言語理解と知識理学分野で国際的な著名な学者で、スーパー関数による機械翻訳の第一人者、任福継 教授。日本で最初の国際電話用音声認識システムの開発者、音声認識分野で活躍する、黒岩眞吾 助教授の指導体制のもと、基礎から応用 まで幅広い研究を行っています。本講座の任教授により提唱されたMMMは国際学術界で広く認められ、IEEEなど国際学会においても大きく推進しております。本講座ではMMMの発信源の立場で、多言語機械翻訳、情報検索と要約、自動作文、学習システム、知識獲得、音声認識と合成、感性情報処理、感性コンピュータ、QAシステム、多言語総合サービスシステム、感性会話システム、知的ロボット、顔表情認識、金融情報処理、文書処理と秘書システム、プログラム自動生成などの分野で、国内外の科学院や研究室と連携して、野心的な研究開発を行っています。

東京理科大学 理工学部応用生物科学科 松永研究室

生物は細胞分裂と細胞伸長の絶妙なコンビネーションとコミュニケーションにより、発生・分化を成し遂げ個体が形成されます。この生命ダイナミクスを統御する基本メカニズムの解明に取り組んでいます。生命現象を維持する最低限のユニットを決めるミニマム生命システム解析や基本原理の修飾・複雑化のメカニズムを染色体動態や染色体再編成の実験を通じて解明します。また、情報工学とライブイメージングの融合技術により、画像データを定量化・デジタル化したシミュレーションを作成し生命動態の本質に迫ります。一部研究でAI(人工知能)を用いた画像自動分析を実施しています。

大学研究室の情報サイト『LABOナビ』

大学研究室の情報サイト『LABOナビ』

大学研究室の情報サイトLABOナビでは、日本全国の大学研究室や学会の情報を掲載してます。掲載件数5000件以上の情報から学部・地域などで検索し、進学・就職の役に立つ情報を掲載してます!

大学・研究機関向けパソコン情報サイト
『アプライドダイレクト for University』

大学・研究機関向けパソコン情報サイト『アプライドダイレクト for University』

AIに関する研究に適したハイパフォーマンスコンピューターはこちらでご案内しております!